医療保険への加入・見直しのタイミングはいつ?

病気やケガの治療費に備えることができる医療保険

病気やケガはいつなってもおかしくないという不安もあり、日本では多くの人が加入しているのが現状です。

今回はそんな医療保険への日本の加入割合加入・見直しをするタイミングはいつが良いのか、医療保険に早期に加入することのメリットなどを解説していきます。

医療保険に加入できる年齢は何歳から何歳まで?


まずは医療保険に加入できるのは何歳から何歳までなのかを見てみましょう。

保険会社ごとに異なりますが、基本的には0歳から加入できるものが多く、上は70代~80代までを上限としていることが多いです。

医療保険のタイプによっては20歳から59歳までと幅が狭い医療保険もあります

また、同じ医療保険であっても保険料払込期間によって加入できる年齢が変わるパターンもあります。

例えば終身払で契約するのであれば0歳~80歳までが加入できますが、60歳払済で契約する場合は0歳~55歳が契約可能年齢となるものもあります。

ちなみに、この後に医療保険に加入するのにお勧めのタイミングを3つほど紹介しますが、3つともほぼ全ての医療保険で契約可能年齢の条件はクリアできるはずです。

気になる加入率!皆どのくらい医療保険に入っているの?


医療保険にはどのくらいの人が加入しているのか、その割合についても気になるところです。

生命保険文化センターの調査によると、民間の生命保険や郵便局、JA、共済などで疾病入院給付金が支払われる生命保険(要は医療保障が付いている生命保険、または医療保険)の加入率は、2019年(令和元年)では73.1%というデータが出ています。

表1 疾病入院給付金の有無(全生保)

令和元年 73.1%
平成28年 72.1%
平成25年 74.0%
平成22年 72.3%
平成19年 71.3%
平成16年 69.3%

参考:公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査 – 第Ⅱ章 医療保障」

周りの人の10人中7人くらいが医療保険、または医療保障が付いている生命保険に加入しているということになります。

今の若い方から見るともしかしたら多いと感じるかも知れませんが、以前は当然のように医療保険に加入していた時代もありましたので、年配の方にとっては「え、それだけ?」と感じる方もいることでしょう。

ちなみに、世帯の加入率(かんぽ生命を除く)で見ると、2021年(令和3年)では93.6%と、かなり高い数値になっています。

内訳は世帯主が88.7%配偶者が65.8%で、やはり世帯主が病気やケガで仕事を休むと経済的なダメージが大きくなってしまうことから、配偶者と比べて世帯主の加入率は高くなっています。

表2 医療保険・医療特約の加入率

世帯 世帯主 配偶者
令和3年 93.6% 88.7% 65.8%
平成30年 88.5% 82.5% 68.2%
平成27年 91.7% 85.1% 69.6%
平成24年 92.4% 85.2% 70.8%
平成21年 92.8% 86.6% 69.0%

参考:公益財団法人生命保険文化センター 「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」

また、世帯主の年齢別での世帯加入率は以下のようになっています。

表3 医療保険・医療特約の世帯加入率(世帯主年齢別、2021年)

29歳以下 90.3%
30~34歳 94.2%
35~39歳 92.6%
40~44歳 94.6%
45~49歳 95.4%
50~54歳 96.2%
55~59歳 94.7%
60~64歳 94.2%
65~69歳 94.0%
70~74歳 92.2%
75~79歳 91.8%
80~84歳 85.3%
85~89歳 92.9%
90歳以上 83.3%


世帯で見ると、意外と29歳以下でも9割くらいが加入していることが分かります。

全体で見ても70代くらいまでは9割を超えています

このことから、家庭を持っている場合は若くてもそうでなくても、医療保険を必要と感じているということが分かります。

医療保険の加入・見直しにベストなタイミング3選


医療保険に加入、または見直しをするタイミングはいつが良いのか、3つの例を見ていきたいと思います。

就職したとき

新社会人になると、これまでのように親の支援を当てにするという訳にはいかなくなります。

家賃や生活費、交際費などの諸経費を自分で賄う必要が出てきます。

そしてそれは医療費も例外ではありません。

これまでは病気やケガになった時の医療費は親が出してくれましたが、就職して一人前になってからは自分で何とかしなければいけなくなります。

今の日本は公的医療保障がしっかりしているため、病気で手術をするという場合でもそこまで多額の治療費がかかることはありません。

ですが治療期間が長期に渡るような重い病気になった場合は治療費もバカにならず、さらに生活費の不安も出てくるため、貯蓄が少ない若い内であるほど医療保険の必要性は高いと言えるのです。

そのため、就職をして自分のことは自分で責任を負うようになったときが、医療保険の加入を検討する第一のタイミングと言えます。

結婚したとき

これまで一人で済ませることが出来ていたものが結婚すると二人になり、配偶者の生活についての責任も出てきます。

また、今後子供ができ、学費などを踏まえたその先の生活のことを考えると、万が一に備えて死亡保険や医療保険の必要性が急に増してくると言えます。

すでに解説している通り、世帯での医療保険・医療特約への加入率は20代でも90%を超えるほどの高さとなっていますが、やはり結婚は医療保険への加入や見直しを検討する時期としては最適だと言えるでしょう。

また、子供を作る予定であるという場合、この時点で女性の方は医療保険への加入を検討した方が良いです。

理由は次で解説します。

妊娠する前

これから子供を作る予定だという女性は、妊娠する前に医療保険への加入を真剣に検討すると良いでしょう。

何故かというと、妊娠をして一定期間が過ぎてからは医療保険への加入が難しくなったり、加入できたとしてもその妊娠に関する入院や手術は保障の対象外になってしまう可能性があるからです。

例えば、ある医療保険に妊娠してから加入した場合、普通の病気やケガによる入院や手術はちゃんと保障されますが、今回の妊娠で思わぬトラブルが起きて「帝王切開」や「切迫早産による入院」などを行った場合は給付の対象外となってしまうのです。

妊娠中は通常時と異なり、様々な体調不良やトラブルが起きる可能性があります。

それらについてもしっかりと保障が欲しいのであれば、妊娠をする前に医療保険に加入しておくのがベストとなります。

医療保険は早期に加入する方がメリットがある?


今回は医療保険への加入タイミングを紹介していますが、いずれのパターンも20代や30代などの「若いうち」に該当することが多いです。

医療保険に早期に加入することについて、「早く入る分だけ、保険料を余計に支払うことになるんじゃないの?」と不安になる方も中にはいるかと思います。

ですが、この不安は間違いです。

医療保険は早く加入するほど保険料が安くなるのは知っている方が多いと思いますが、実は早く加入した方が後から加入した場合よりも支払う保険料の総額も安く済むという特徴があるのです。

具体例
20歳で加入した場合、月々の保険料は1,100円
40歳で加入した場合、月々の保険料は2,000円
【80歳まで継続すると】
→①の総支払保険料は792,000円
→②の総支払保険料は960,000円


例外的に、早い時期に解約した場合(本人の死亡など)は遅く加入した方がお得になるパターンもありますが、長期目線で見た場合は基本的には早く加入した方が保険料は安く済むことになります。

また、医療保険は持病があったり手術歴があったりすると、高い保険料の商品にしか加入できなくなる可能性がありますので、若くて健康なうちに加入しておく方が通常の保険に入りやすいという特徴もあります。

もし医療保険に加入する予定であれば、早めに加入しておく方が金銭的にも保障的にもメリットが高くなります。

まとめ

医療保険へ加入するタイミングを見失っている、または自分で判断ができないという方は、今回の記事が参考になるかと思います。

就職・結婚・妊娠の時期が来たら、積極的に検討・見直しをしてみると良いかと思います。

また、医療保険は早いうちに加入した方が遅く加入するよりもメリットがありますので、必要だと感じたら加入を後回しにしないことも大切です。