独身の老後に備えたいリスクと、安心して生活するには

独身のシニアライフは、生活面、健康面や経済面と様々な不安があるでしょう。
人生100年時代といわれる現代では、誰もが「おひとりさま」になる可能性があります。ご夫婦で暮らしている方も、配偶者が亡くなった場合は一人残されるため「おひとりさま予備軍」といえます。
また、個人の経済的な不安や雇用の不安定さ、結婚に求めるハードルの上昇、独身でも生活しやすい社会環境へと変化したことで、結婚率が低下傾向にあり「おひとりさまシニア」が今後も増えていくでしょう。
この記事では、独身のシニアライフを充実するために、リスクと40代、50代から備えておきたい対策をご説明いたします。
65歳以上の一人暮らしの割合
日本の65歳以上の高齢者のうち、一人暮らし(単身世帯)をしている割合は男性:約15%、女性:約22%です。未婚や死別・離別を含めた「配偶者がいない独身の高齢者」の割合はさらに高く、女性は約5人に1人以上、男性は約10人に1人が該当します。
65歳以上の一人暮らし者の推移

女性のほうが男性よりも6歳ほど平均寿命が長くなっているため、夫に先立たれたあとに「おひとりさま」になる可能性は女性の方が高いといます。高齢単身者の数は女性が男性の約3倍となっており、65歳以上の女性の約5.6人に1人が一人暮らしをしています。
独身シニアが抱えるリスク
それでは、独身シニアが抱えるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。
正しく把握し備えておくことで、漠然とした不安も解消されるでしょう。
| 健康面 | 病気やケガのリスク | 高齢になると体力や免疫力の減衰により、ケガや病気のリスクが高まります。これまで健康に自信があった人でも、急な病気や大きなけがに見舞われるかもしれません。 |
| 介護のリスク | 高齢になると介護が必要になる場合がります。しかしながら、介護施設に入居したいと考えていても、身寄りがない高齢者の方は、身元保証人を頼める親族や家族がいないため、介護施設への入居や入院を断られてしまう場合があります。 | |
| 孤独死のリスク | 近隣住民との付き合いの少なさや定期的にコミュニケーションをとる相手がいないなど、地域や社会から孤立してしまいがちです。 独り暮らしで誰にも看取られることなく自宅で死亡する、「孤独死」の増加が社会問題になっています。 | |
| 生活面 | 体力低下のリスク | 徐々に体力が低下することで、身の回りの事に手が行き届かなくなったり、災害時に避難が遅れたりする場合があります。 |
| 犯罪に遭遇するリスク | 近年では、オレオレ詐欺や、強盗事件など高齢者を狙った犯罪が増えています。 独居世帯では、詐欺と気づくのが遅くなったり、空き巣や強盗に狙われる可能性も高くなります。 | |
| 手続きが進まないリスク | 身寄りのない方の身元保証人が居ないため、住居の契約や、入院したり施設へ入所したりする際に手続きがスムーズに進まなかったり、契約を断られるケースもあります。身元保証人を確保するために、民間の身元保証サービスや成年後見人制度を利用する必要が出てきます。 | |
| 経済面 | 生活費不足のリスク | 夫婦世帯に比べて基礎年金の受給額が一人分に限られるため、収入が低くなりがちです。老後の単身生活費は、1ヶ月あたり平均約15.5万円※が目安です。年金収入だけでは月々2万〜3万円ほど不足するケースが多いです。 ※総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)」 |
| 医療費増加のリスク | 病気やケガが増えていけば、それだけの医療費がかかることになります。特に介護が必要となる事態となれば、医療費に加えて介護費も必要となってきます。 | |
| 物価上昇のリスク | 全世帯に言えることですが、物価上昇すると貯蓄が目減りします。公的年金だけでは賄えない場合、貯蓄を切り崩すスピードが早まってしまうことがります。 | |
| 相続のリスク | 兄弟姉妹もいなければ、孤独死した方の遺産は民法上、様々な手続きを経て国庫に帰属することになるため、場合によっては国の財産になります。自分の財産が意図しない形で承継される可能性があります。 |
独身シニアのリスクに備えるには
老後の資金計画を立てる
現状の生活費と受給可能な年金額をシミュレーションそてみましょう。収支のバランスが把握でき、生活水準の見直しや、固定費を見直しなど対策を練ることができます。
具体的な金額を試算することで「あとどれくらい貯めれば老後が安心か」が分かり、現役のうちの働く目標につながります。
年金以外の収入を確保する
老後の単身生活費は、1ヶ月あたり平均約15.5万円ですので、公的年金だけでは難しいのが現状です。そのため、年金以外の収入の確保しておくようにしましょう。
定年後に仕事をする方も近年増加していますし、資産運用も効果的です。
もしもの保障を確保する
後ほど具体的にご説明しますが、医療費、介護費、葬儀費用や死後の整理費用など、年を重ねるごとに、もしものリスクが増えていきます。民間の保険で保障を充実させるとで安心に繋がるでしょう。
地域の人と関わりをもつ
一人暮らしの高齢者は孤立しがちです。近所の人や友人と積極的に交流することを意識しましょう。他人との積極的な関わりは孤立を防ぎ、充実した生活を送ることにつながります。人間関係づくりは、生きがいづくりや認知症の予防策にもつながります。
エンディングノートを用意する
エンディングノートは、財産の保有状況、医療の希望、介護の希望、お墓の希望、スマホのパスワードなど、指定の記入項目に沿って書き残しておくノートのことです。
第三者が本人の意向を把握できますし、まずなにより自分自身の人生の整理と、老後の備えがどこまで進んでいるかを確認でき、調整しやすくなります。
独身の老後、どんな保険が必要?
健康面・経済面のリスクをカバーするために、民間の保険加入はとても有効と言えるでしょう。
民間の保険で備える事で、老後の生活費、医療費、介護費、死後の費用などに備える事ができます。保険は長期的に加入することで効果を発揮する性質があることや、高齢になると保険加入に加入する事自体が難しくなってしまうこともあるので、現役の時から老後を見据えて準備しておきましょう。
下記は、独身シニアにおすすめする保険です。
個人年金保険
配偶者がいる場合、配偶者の公的年金の受給も合算して生活費とする事ができますが、独身の場合はご自身の年金のみで生活していくことになります。生活費の不足分を補うために、個人年金保険を検討しておくとよいでしょう。
独身であるがゆえ、家族への大きな死亡保障を用意する必要がなく、老後資金の積み立て(個人年金)に回しやすいという利点があります。
医療保険
独身シニアにとって医療保険は、病気やケガの治療費だけでなく、入院時の身の回りのサポートや退院後の生活費を自己資金でカバーできない場合の重要な備えとなります。現役世代とは異なり、万が一の際の収入源が年金のみである場合、貯蓄を取り崩すリスクを減らすこともできます。
介護保険
要介護状態になったとしても頼れる家族がいない場合は、経済的・精神的負担を軽減するための介護保険を検討しておきましょう。医療保険と同様、介護保険には公的介護保険と民間の介護保険の2種類があります。
公的介護保険は現物支給で、訪問介護など適用されるサービスを受けるときにしか利用できません。民間の介護保険は現金支給なので、支給される一時金や年金の使い道は自由です。公的介護保険では対象外となるサービスにも利用できます。
終身保険
独身の方がお亡くなりになった場合、早い時点から現金が必要になってきます。病院で亡くなられたら遺体の搬送費や入院費の精算、葬儀費、埋葬費などです。遺産があったとしても、法定相続人でなければおろすことは不可能ですし、死後の手続きを依頼していたとしても、法定相続人でない場合、遺産分割協議が終わるまでは現金を手にするのは難しいです。
しかし、保険の場合は保険会社に所定の書類が届けば、数日から数週間で保険金が支払われ死後にかかるお金について素早く対応できます。
高齢者の保険加入率
日本の60代以上の生命保険加入率は80%を超えており、70代でも男性72.5%、女性78.8%と非常に高い水準を維持しています。年齢とともに高まる病気やケガのリスク、入院や介護に備えるために多くの人が民間保険を活用しています。
高齢になると若い頃よりも保険料が割高になります。また、健康状態によっては新規加入が制限されることもあります。
高齢になってから保険に加入するのではなく、若いうちから保険で備えておくことが重要です。
まとめ
高齢者の一人暮らしにはさまざまなリスクがあり、安心して暮らしていくためには現役時代からの準備がかかせません。健康面、生活面、経済面のリスクを把握して、ご自身に合った方法で出来るところから備えておきましょう。
保険見直しラボのコンサルタントは、FP資格を保有するお金のプロです。また、平均業界経験17.3年とベテラン揃いで、老後資金の相談も数多くうけております。保険のことだけではなく、老後の事も一緒に相談してみてはいかがでしょうか。

川﨑 謙也
2024年度MDRT/FP技能士/トータル・ライフ・コンサルタント/上級相続診断士
外資系生命保険会社を経て、トータルライフコンサルンタント(生命保険協会認定FP)や上級相続診断士などの資格を有し、幅広い知識を持ち合わせるFPとして活躍中。 様々な年齢層を対象に、年間約200世帯ほど面談を行なっている。お客さま一人ひとりのペースに合わせて理解を進めていただくことを大切にしている。
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