60代から生命保険は必要か?備えたいリスクと見直し方を解説

60代から生命保険は必要か?備えたいリスクと見直し方を解説

60代は定年退職や第二の人生をスタート、子供の自立による家族構成の変化などライフステージとして大きな変化のある年代です。
これまでの加入してきた保険が本当に必要なのか、それとも見直すべきなのか。60代からの生命保険の必要性と、ライフステージにごとの見直しポイントについて解説します。

目次

60代で生命保険は必要か?

60代で生命保険に加入すべきかは、個人のニーズや目的によって異なりますが、子供の為にやご家族の為にという保険は、ニーズが低くなってきます。それに対し、60歳以上になると若い頃に比べてさまざまな病気にかかるリスクが高くなってきます。

60代の平均治療費

平均治療費

60代は40代にくらべて2倍以上の治療費がかかっていることがわかります。がんなど生活習慣病に罹患すると、これ以上の治療費がかかるでしょう。

60代のがん罹患率

年齢が高くなるとがん罹患率は上がります。国立がん研究センターの「がん統計」によると、20代でがんに罹患する方は人口10万人あたり数十人ですが、年齢とともに上昇し60代後半以降では人口10万人あたり1,000人以上となります。

【人口10万人におけるがん罹患者の数(2021年)】

全体男性女性
20~24歳24.820.929.0
25~29歳42.229.355.8
30~34歳78.145.8111.9
35~39歳134.274.5195.8
40~44歳222.2116.9330.6
45~49歳341.6198.5488.4
50~54歳457.0340.3575.3
55~59歳672.4647.6697.1
60~64歳982.61,137.8830.8
65~69歳1,416.11,826.91,027.9

セカンドライフは20年以上?

人生100年時代と言われる昨今、私たちの寿命が延び続けており、厚生労働省の「簡易生命表(令和6年)」によると、2024(令和6)年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.13歳となっています。60歳で定年を迎える方は、セカンドライフは20年以上あることになります。
年金だけではなかな厳しい中で、どのように生活費を捻出していくか。病気のリスクが多い中で、どのように医療費を捻出していくか。充実したセカンドライフを送る為に、早いうちから考えられるリスクに備えておくことが必要です。

60代の生命保険加入率

■世帯年間払込保険料(全生保)(世帯主年齢別)

全体41.6
29歳以下20.2
30~34歳31.0
35~39歳31.7
40~44歳40.3
45~49歳46.2
50~54歳51.8
55~59歳51.3
60~64歳43.4
65~69歳39.4
70~74歳36.9
75~79歳32.9
80~84歳43.9

※単位は万円※全生保は、民間(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む※85歳以上はサンプルが30未満
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」

最も保険料額が高いのは50代で、それ以降年齢を重ねると平均額は下がっていくことが見て取れます。
子供の独立や住宅ローンの完済などのライフイベントを終えると、必要な保障も小さくなる傾向ですが、生活や病気に関するリスクに備えている方が多くいることがわかります。

60代で保険を考える時のポイント

前述したように、60代はライフステージの変化が大きい年代です。例えば、住宅ローンが完済されたり、子供が独立したりなどが挙げられます。
そうなると、家族の為にと備えていた万が一の保障の額も、以前ほど多くは必要なくなるでしょう。その代わりに、定年後の生活に向けた新たな準備が大切になってきます。
ご自身の現状と今後の事を考えて、リスクに対する備えを精査していく必要があります。

ライフスタイルの変化と対応例

変化の例対応例
収入の増減保障内容の見直し
健康リスク増加生活習慣病・がんなどの保障充実
子供の独立必要保障額の見直し
ローン完済資産運用の検討
介護リスク介護保険の検討

よくあるライフスタイルの変化は上記になります。
特に60代では収入の増減や、必要保障の変化による保険の見直しが重要です。必要な保障と不要な保障を適切に見極めることで、無駄な保険料の払いを続ける事が無くなり、家計への負担を軽減することができます。

死亡保障を再検討する

60代になると、子育て世代のように数千万円単位の保障は必要性が低くなります。その代わりに、ご自身に万が一のことがあった際の葬儀費用や整理費用として死亡保障の適正額を考えてみましょう。保険料の負担を軽くできる可能性がありますので、見直しをするメリットは大きいでしょう。

医療保障を再検討する

60代は前述のとおり病気のリスクが高まる年代です。医療保障はなるべく手厚く確保しておきたいところですが、医療保障をむやみに手厚くしすぎる必要はありません。公的医療保険について知ったうえで、不足する部分だけを民間の保険でカバーするよう意識しましょう。

また、医療保険で注意したいのが、数年前に加入した保険が現在の医療技術に対応しているかという点です。医療技術は日々進化していますので、最新の技術も保障対象となるのか必ずチェックしておきましょう。

介護への備えを検討する

60代になると将来の介護リスクについて考える必要があるでしょう。
介護サービス費用の多くは公的介護保険制度でカバーされますが、公的介護保険で利用できる介護サービスには限度があり、主に自宅でサービスを受ける居宅サービスには「支給限度額」という、1ヶ月あたりに利用できる限度額が決まっています。限度額以上に介護サービスを利用した場合や、公的介護保険の対象ではないサービスを受けた場合には、費用が発生し経済的負担となります。

■介護費用ってどのくらい?

一般的な介護初期費用平均74万円
 月々の介護費用平均8.3万円
 介護の平均期間5.1年×12か月=61.2か月
 合計581.9万円

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2021年度)」

民間介護保険の加入率は年齢とともに上昇し、50代後半から60代にかけて特に高くなる傾向が見られます。将来の介護について意識し始める方が多く、リスクに備え保険加入を検討するタイミングといえます。

年齢別民間介護保険の加入率

年齢別民間介護保険の加入率

まとめ

60代の保険選びは個人のニーズによって異なりますが、がんを始めとした病気やケガのリスクが高まるため、万が一の際の備えや、介護のリスクに備えておくと安心です。
加入する保険種類や、保障内容が多いほど家計への負担も大きくなってしまいますので、必要な保障を無駄なく確保できるよう、保険の内容を確認したうえで、ご自身の健康状態、家族状況、ライフステージなどに合わせて、適切な保険に精査しておくことが大切です。

監修者プロフィール
監修者

川﨑 謙也
2024年度MDRT/FP技能士/トータル・ライフ・コンサルタント/上級相続診断士

外資系生命保険会社を経て、トータルライフコンサルンタント(生命保険協会認定FP)や上級相続診断士などの資格を有し、幅広い知識を持ち合わせるFPとして活躍中。 様々な年齢層を対象に、年間約200世帯ほど面談を行なっている。お客さま一人ひとりのペースに合わせて理解を進めていただくことを大切にしている。

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